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2006-01-28(Sat)

アイデアはパブリックドメインでいいじゃん、という思想

| 14:15 |  アイデアはパブリックドメインでいいじゃん、という思想 - 浅倉卓司@blog風味? を含むブックマーク  アイデアはパブリックドメインでいいじゃん、という思想 - 浅倉卓司@blog風味? のブックマークコメント

 「これは凄いアイデアだ!」なんて思うモノは、その時点ではただの思いつきに過ぎないのですよ。 

アイデアを思いつくだけだったら、あなたがどんな素晴らしいアイデアを思いついたとしても、同じことを思いつく人間は世の中に100人はいると思った方がいい。


だが、そのアイデアを形にする過程にはさまざまな難関がある。ほとんどの場合、それをどう進めればいいのか見当もつかない。だから、戦略というのはアイデアそのものじゃなくてこの過程にこそ埋め込まれるんじゃないか。神が宿るのはアイデアじゃなくてディティールなんだよ。

創造的なエンジニアのための働く環境とは(1)

 ここに書かれているような「思いつき」のレベルの「アイデア」だけをエラソウに語って「実装できたらオレの手柄、実装できなかったらテメエの失態」という態度をとる人に辟易としていた時期がありまして。その人(達)は『アイデアを形にする過程にはさまざまな難関がある』なんてことはまるで考慮していないんだよね。


 そんなわけで何かアイデアを思いついても「やっぱアイデアは実装してなんぼ、実装するまで黙っていよう」と思っていたんだけれど、実際に完成させるアイデアなんてそんなにないんですよ。時間がとれないとか実力が伴わないとかいろいろあって。

 そんな時でも「そのアイデアが実現するのは見たいなあ」なんて考えることがあるんだけれど、『同じことを思いつく人間は世の中に100人はいる』はずなのに、そのアイデアが実現されることはほとんどないんですね。

 「そのアイデアが使えないモノだったから」か「実装できる人が思いついてないから」のいずれかだと思うけど、それがどちらなのか分からない。それが前者なのか後者なのかは是非とも知りたいと思うのだけれど、「アイデアを黙っている」だけでは知ることができないんですよ。


 それに気付いてからはできるだけアイデアを公開するようにしてます*1。公開したのに誰も実装しないのならそのアイデアは使えないモノだろうから「実装しなくて済んでラッキー」だし、誰かが実装したのならその人に感謝して使わせてもらえばいいのだから。

 仮にその実装が有料だったとしても「自分で実装するコスト」を考えれば安いもんだし、もし高いと感じるなら自分で実装すればいいだけの話だしね。少なくとも「実装する価値がある」ということが分かっただけでも最初に実装した人に感謝すべき。


 そんなわけで、「アイデア」なんてものはパブリックドメインでいいじゃんと思うし、そのアイデアで報酬を得ようなんていうのは欲張り過ぎだと思うのです。



以下蛇足

 そう、仮に自分が考えた「アイデア」であっても、その報酬を受け取るべきは実装者であるべきなんですよ。それなのに「アイデアを思いついた人が報酬を受け取るべき」と勘違いしている人が多すぎる。


 江島さんが「作家と編集者の関係」で例えるそうなのでそれに倣うと、編集者がアイデアを提供してそれを元に作家が作品を書いたとしても、印税(報酬)を受け取るのは作家であって編集者じゃないでしょ。これこそが「実装者が報酬を受け取る」という正しいありかたなのです。


 それでは編集者が受け取る報酬(給与)の根拠は何かというと、「作家に良い作品を作らせた」とかあるいは「良い作品を生み出す作家を見つけた」ことです。

 だから、プロジェクトマネージャ(あるいは上司)のすべきことも「順調にプロジェクトが進捗するようにする」「プロジェクトを進捗させるスタッフを見つける」ことなんじゃないですかね。したがってプロマネが提案すべきアイデアは「画期的なこと」ではなくて「それによりプロジェクトが進捗する」ものであるべき。

 あるいは企画担当者がすべきことは「スタッフにより良いコンテンツを作ってもらう」ことでしょうから、やっぱり「画期的なアイデア」じゃなくて「スタッフにイケルと思わせるアイデア」であるべきでしょうね。


 まあいずれにしても、これらの人々が提案するアイデアそのものは評価されるべきじゃないですし*2、もしアイデアが評価されるとすればそれは「進捗に貢献したアイデアだった」「スタッフをまとめることができたアイデアだった」という点であるべきです。


追記

>malaさん

 僕は既に「全てのアイディアが既出になってしまって」いると感じています。

 コンピュータ関係のネタは40年くらい前の論文で既に書かれていることが多くて、今になってようやく実装されている感じがしますし。


 モチベーションという意味では「それをどう実装するのか」が充分に源泉になると思っています。AJAXだって「実装方法の良さ」で持ち上げられているのであって、AJAX的なアイデアは昔からあったわけでしょう。

 それに「この世で一人しか気付いていないアイデア」を形にするよりも、「実装したアイデアをみんなが気に入ってくれる」ほうが快楽が最大になるんじゃないかと思っています。

 この辺りは作家が作品を作るのと同じなんじゃないのかなと。「小説のアイデアなんて既に出尽くしてる」と言われても、小説家が小説を書き続けるようなものですしね。

(もっとも、どんな時にモチベーションが上がるかは人それぞれ違うでしょうけれど)


 似たアイデアを考案者を結びつけるSNSは面白そうです。

 確かに「ひとりだとちょっと……」と思ってても、似たことを考えてる人がいるのが分かるとモチベーションが上がりますしね。


>kuippaさん

 僕は「思いつきレベルのアイデア」はパブリックドメインで問題ないと思っています。

 ただ、例えば「あるアイデアを大勢の人に分かるように説明した文章」があったとしたらその文章そのものは書いた人のモノであるべきだと思いますし、そういう文章が書ける人ならそれで報酬が受け取れる(例えば営業やコンサルとして活躍できる)はずだと思っています。

 「他人に分かるようにアイデアを説明する」っていうのも、簡単なことではないですからね。

*1:最近だと「[属性名:属性値]でタギングできるブックマークはないのかな?」とか「Amazonはメタデータが不足してる、の続き」とか。

*2:アイデアを評価するなら、それを実現した人を評価すべきだから。

malamala2006/01/28 17:18自分もそういうことを考えたりもするのですが、
「全てのアイディアが既出になってしまってもプログラマはモチベーションを維持できるのか?」
という不安があります。自分はそういう状況になってもたぶん大丈夫なのですが。
一度流れに乗ってしまえば最初に口に出したやつが偉いことになってここ5年10年ぐらいで発明されるソフトウェアのアイディアなんかは全て出尽くすんじゃないかと思います。で、そうするとプログラマは実装するだけの人になってしまい、コーディングの速いやつが偉いということになるわけで。何がプログラマの幸福かと言われると、自分で考えた「ひょっとしたら世界で一人だけしか気付いていないんじゃないか」というアイディアを実際に形にしたときに、プログラマの快楽は最大になると思うのです。
まあ実際はどんな場合でも何から手をつけるか取捨選択するだけなのですが、もっとなんというか「素晴らしいアイディアだ!」と勘違いして発作的な衝動に突き動かされたときが一番生産性が上がるし、楽しい気がします。後から既出だと知ってがっかりすることも多いのだけれど。
どっちにしろアイディアを表向きに大っぴらに書くと口先だけの人間だと思われるのがイヤなので匿名でアイディアを投稿して単語抽出して内容の似たアイディアの考案者同士が繋がるSNSなんてどうですかね。

kuippakuippa2006/01/28 18:48アイディアも頭の外に出さなければ思いつかなかったのと一緒。
作っても人に見られなければ作らなかったのと一緒。
パブリックドメインちゅぅのはどうかとも思うけど、人々の頭の中にあるものを外にださせようっていう装置的なものがあると世の中のためになるかもしれないですねー。

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