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2010-02-24(Wed)

『創』2010年2月号の簡素な感想。

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 適当に引用しますので、気になった方は購入をお勧めします。

 近場で売ってないなら通販もありますし。


植田康夫 (略)紙媒体の統計が、ずっと流布されていますが、実際は、電子辞書などは、けっこうシェアは増えている。だから、そういうものも含めて、トータルに統計をとらないといけないのではないか。(略)

p.28

――これについてd:id:mohnoさんが何度か指摘しているものですね。僕もそう思います。


松田哲夫 (略)『読めそうで読めない間違いやすい漢字』(出口宗和著/二見書房)は、実は柳の下の三匹目のどじょうなのに、一番になった。コンビニ本という、普通は書店で売るつもりのない本がミリオンになった。(略)

p.30

――そういえば出版物販売のコンビニのシェアはどれくらいなんだろう。

 欧米と比較する人も多いけど、果たして欧米は日本のようにコンビニで様々な書籍・雑誌を買えるのか、いつも疑問に思っている。

(少なくとも出版流通については日本は欧米と比較できないくらい優れているでしょ?)


p.31-33

 雑誌は宝島社が強いらしい。他、雑誌についていろいろ書かれています。


p.33-34

 新書はビジネス書・自己啓発書が隆盛で、教養的なものやジャーナリズム的なものが減っているとのこと。

 最近新書を買わなくなった(売場に行かなくなった)のはそのせいかもしれない、とかちょっと思った。


清田義昭 だから松田さんたちがやったときは、早かったのですよ。確かに、紙の地図は売れなくなったけど、カーナビが代替しているし、インターネットでも読める。それから、電子書籍というジャンルが出来て、ケータイでも読める、あるいは電子辞書でも読める。例えば料理のレシピもインターネットでもケータイでも使えるようになった。(略)

p.38

――そうそう、地図からカーナビ(ケータイナビ)へ、って流れも忘れがち。

 かように電子化に向いてるものは電子書籍以外の形でどんどん電子化されてるわけですよ。そこであえて「電子ブック」である意義はあるのか、ってのが疑問なわけで。

 だから僕はメリットがあるであろう形を考えるようにしているつもりなのだけれど。ネット世間では「電子ブック化されればそれだけで素晴らしい世界になるはず」という妄想が激しくてげんなりする。


(略)ただしこの雑誌でも取材モノは少なくなって、座談会などお手軽なものばかり。これには金をかけたくないというコストカットが一面の真実であって、もう一面は読者の高齢化だ。おそらく平均読者層が70歳を越えていて、座談会や対談の方が読みやすいという両面があるのではないか。(略)

p.42(佐野眞一)

――取材をせずに座談会や対談でお茶を濁しがち、というのはありそうです(新書でもそういうのが増えてるし)。

 ただ、高齢化はあまり関係ない気がしてます。ウェブでも何かをきちんと調査・取材した記事よりも、思いつきの与太話のほうが人気がありますしね。


p.44-93

 「講談社」「小学館」「集英社」「新潮社」「文藝春秋」「マガジンハウス」「光文社」について。

 これは別にセールスのトップから選んでいるわけではないみたいだけど*1。ここになくて大きいのは角川グループかな。

 トップの10社をあわせても36%のシェアしかないという競争の激しい業界というか、中小零細企業がたくさんあるというか。まあ大手ですら「大企業」というには規模が小さいもんねぇ(売上も社員数も)。


 ところで、各出版社についての記事を読んでいると、自分がいかに出版物の一部しか見ていないかがよく分かりました。僕は電子ブックのことを話すときは主に「漫画」「漫画雑誌」と「文芸」「新書」くらいしか念頭になかったりするのですが(少なくともそう意識して書いている)、それだと出版市場の半分あるかどうかなんですよね*2。残りについてはまるっきり無視しているわけです。


 記事では僕が知らない雑誌や書籍の動向について取り上げられているのですが、これらは電子ブック化できないだろうと思うのも結構あるわけですよ。

 分かりやすい例だと「付録付きの雑誌・書籍(分冊百科も含む)」ですね。これは電子化しても意味はないでしょ?

 他にも「学年誌・学習誌」「女子中学生をターゲットにした雑誌」なんかはターゲットにとっては紙媒体のほうが安くて購入しやすいわけです。おそらく高校生以下むけは紙媒体のほうが良いという判断になるのではないかな。ひょっとしたら大学生もそう。

 そう考えていくと、電子化に向いている出版物ってネット世間が想像しているより少ないんじゃないのかな? という気がするわけですよ。

 ちなみに雑誌については漫画と文芸以外は電子ブックには向いてないと思ってますが*3、購入層を考えると電子ブック化してメリットがあるのは本当にごく少数でしょうしね。


 ネット配信についてはやはり漫画が積極的な印象ですね*4。当然海外向けも視野に入れてるみたいです。

 そもそも日本の出版物は安いしその中でも漫画はアホみたいに安いので、紙媒体のままの価格で海外で配信できればそれだけで海外にとっては「価格破壊」なんですよね。そう考えると「漫画向きな端末を開発して海外で売るのがいいんじゃないの?」って気もします――まあ、海外の漫画市場をどれだけ開拓できるのか、ってのもあるでしょうけれど。


追記(2006-02-26)

b:id:mohno [浅倉卓司, 出版, 創, 後で書く] 「コンビニ」< http://yaplog.jp/er3205u/archive/5 によれば21.9%(2006年)。「ウェブでも何かをきちんと調査・取材した記事よりも、思いつきの与太話のほうが人気」<苦笑。米のコンビニはペーパーバックは売っていた気がします。 [2010/02/25]

 コンビニの件、ありがとうございます。出版全体で21.9%ということは、コンビニの扱いがほぼ雑誌であることからすると、雑誌の販売は40%近くがコンビニになりそうです。結構大きいですね。

(コンビニでスペースを割いているだけのことはある、ということでしょう)

 そしてコンビニで扱っている雑誌(漫画以外)は電子ブックには向かないし、メリットもあまりなさそうな気がしています。


 アメリカのコンビニの件ですが「ペーパーバックは」ということは、雑誌の取り扱いはないのかちょっと気になりました(日本は雑誌と書籍が同じ流通なので特殊らしいですので)。


 そうそう、せっかく書籍の販売金額と部数が出ていたので、1冊当たりの平均単価を計算してみました。

  • 漫画 約556円

 まあ、予想通りですね。

  • 文庫 約632円

 これも予想通りですね。

  • BOOK 約1,264円

 これが予想以上に安かったです。これは新書が多くを占めてるせいでしょうかね? それでも安価な漫画や文庫を除いた平均がここまで安くなるとは思っていなかったので、ちょっとびっくりしました。


 これではKindleで「これから書籍は千円で買えますよ!」とか言ってもあまり魅力的じゃないはずで、アメリカと同じビジネスモデルで商売はできないですよね……。

*1:書いてから気づいたけど、これって雑誌が含まれてないのね。雑誌含めると全く別なランキングになりそうだ。

*2:ちなみに漫画は雑誌を含めて5千億円くらいなので、約1/4。

*3:大雑把には「モノクロページが多い雑誌」が電子ブック向きで、それは漫画と文芸だけだろう、と。

*4:記事中では集英社のことしか書かれていませんでしたけど。『創』は毎年5月号あたりで漫画の特集をするので、その頃にはもうちょっと詳しい話が出てくるんじゃないかな?

mohnomohno2010/02/26 23:34あ、ごめんなさい。雑誌はもっと普通に売っていた気がします。あと、コンビニ(convenience store)じゃなくてドラッグストア(drugstore)だったかもしれません。drugstore って薬屋というより雑貨屋ですもんね。雑誌とは別に、ペーパーバックがラックにかかって売られていた覚えがある、という程度です。といいますか、雑誌と書籍の流通が同じとは知りませんでした。

日本のコンビニも雑誌は以前から売っていて、それとは別に遅いことで悪名高かった書籍流通がコンビニから依頼されたとたん手のひらを返したように素早い対応が実装されたとか言われていましたよね。

asakura-tasakura-t2010/02/27 10:48ああ、なるほど。コンビニとドラッグストアの件もそうですけど、それぞれの国で事情が違いますもんね。

その点で言うと、雑誌出版と書籍出版をまとめて総合出版社としてやってるのが日本の特色らしいですので、他国の状況と同じで考えるのは筋が悪い予感がしています。
(例えば、連載作品を書籍化するという流れは他国ではほとんどない気がしています)

mohnomohno2010/02/27 12:46「連載作品を書籍化」<新聞漫画を書籍化、は普通にありますよ:-) スヌーピー(PEANUTS)とか、ディルバートとか。
いわゆる漫画週刊誌みたいなものはないかもしれませんね。みんな最初から単独で発行されているので。

asakura-tasakura-t2010/02/27 14:02なるほど、確かにそういうものはありますね。でも、数は多くはないのではないでしょうか? 例えば小説や新書などはどうなんでしょう?
(日本では「書き下ろし」とわざわざ言うくらい多いですし、初出一覧が載ってることも多いですけれど)

mohnomohno2010/02/27 23:21そういえば、あまり聞かないですね。聞かないものだというほど知っているわけでもないですが。『三銃士』は新聞小説だったそうですけど。

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2010-02-23(Tue)

Tokyo Tyrant(Tokyo Cabinet)をSQLデータベースっぽく使う場合のメモ

| Tokyo Tyrant(Tokyo Cabinet)をSQLデータベースっぽく使う場合のメモ - 浅倉卓司@blog風味? を含むブックマーク Tokyo Tyrant(Tokyo Cabinet)をSQLデータベースっぽく使う場合のメモ - 浅倉卓司@blog風味? のブックマークコメント

 テーブル毎にttserverを立ち上げるといいのだけれど、ttserverは1つだけで複数テーブルを扱いたいと思った時にやること。

(書いてるうちに、複数の.tc*にアクセスできるttserverみたいなのを作ったほうがいいんじゃね? とか思ったけど。レプリケーションとか面倒そうだしなぁ……)


(Tokyo Cabinetの)テーブルデータベースを利用する

  • 拡張子が「.tct」のやつ。うっかり他で作ったらやり直し。
    • Tokyo Tyrant経由でアクセスしたときにうっかりすると気がつかないので気をつける。

put時テーブル名も一緒に登録する

  • "\x7fTABLE_NAME"等のカラムを追加してテーブル名を入れる
    • \x7fとか使っているのは、カラム名が重複しないように(他の理由は後述)
  • tcrmgr misc localhost setindex ^?TABLE_NAME lexical とかでインデックスを作る
    • misc search の指定方法が分からない……。できないのかな?

カラム名は「テーブル名.カラム名」に変換する

  • テーブル名を保存するカラム名に\x7fを付けたのは、その場合は変換しないようにしたかったから

NULLは\x7fに、空文字は\x1fに変換する

  • 問題があるかもですが、通常使わない文字を登録しておくと検索するときは便利
    • \x7f(^?)や\x1f(^_)を使ったことそのものには特に意味はないので、他のコントロールコードでもいいかもしれません
    • 場合によっては(Oracleっぽく)NULLと空文字を共通にしてもいいかもしれない

AUTO_INCREMENTの対応

  • "\7fAUTO_INCREMENT\7f<テーブル名>" というキーにaddintを発行して、auto_increment値を作成している

キーは"\7fTABLE\7f<テーブル名>\7fPKEY\7f<プライマリキー>"にしてる

  • プライマリキーを指定してデータを取得するときにsearchを使わずにgetで済ませるため

SQLを分解してaddcondやsetorder、setlimitに変換する

  • ――ということはしていない。
  • 配列(ハッシュ)として作成した検索条件をSQLに変換してクエリを発行するO/Rマッパーを使っているため、そのSQLへの変換部分をaddcond等で使う条件への変換に修正している
    • ただし、全ての条件を変換できるわけではない。また、Tokyo Cabinet Table の検索で使える条件を追加もした。
      • 例えば、比較(=)はSTREQに割り当てているため、NUMEQを使うため方法(==)も追加した。

型などの変換は自前でやる

  • 登録/変更/取得するや比較するときに変換する
    • 日付型や日時型はUNIX TIMEに変換する
    • defaultやtimestampの自動更新はできないので、登録/更新時に自動的に付加するようにする
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2010-02-19(Fri)

MySQL Clusterを動かしてみたよ。

|  MySQL Clusterを動かしてみたよ。 - 浅倉卓司@blog風味? を含むブックマーク  MySQL Clusterを動かしてみたよ。 - 浅倉卓司@blog風味? のブックマークコメント

 MySQL Clusterに関する情報が少ないので、役に立たないかもしれないけど動かした時のレポートを残しておくよ。

 ちなみにWindows版の7.0.9(プレビュー版)を使ったけど、いつのまにか http://dev.mysql.com/downloads/cluster/ からなくなってますね。。。注意書きを無視する人が多かったせいじゃろか。


参考URL

 基本的に奥野さんの記事と、MySQLの公式ドキュメントを読みながら。

 公式ドキュメントの日本語版は記述が古いので、英語版を読んだほうがよさそう。

続きを読む

Tokyo Tyrantについてのおさらい

| Tokyo Tyrantについてのおさらい - 浅倉卓司@blog風味? を含むブックマーク Tokyo Tyrantについてのおさらい - 浅倉卓司@blog風味? のブックマークコメント

 Tokyo Tyrantについては平林幹雄さんのサイトにいろいろあるし、使用例も探せば出てくるのですが、せっかく使ってみたので記録を残しておく。


  • Tokyo Tyrantは基本的にTokyo Cabinetのラッパーである
  • Tokyo Cabinetでは以下のものが扱える
    • ハッシュデータベース(.tch)
    • B+木データベース(.tcb)
    • 固定長データベース(.tcf)
    • テーブルデータベース(.tct)
  • Tokyo Tyrantは上記のいずれかのデータベースにアクセスできるように設定できる
    • 複数種類のデータベースにアクセスしたい場合は、サーバを別々に立てる必要がある
    • テーブルデータベースを立てておけばたいていの要件には合う、かもしれない
  • チューニングのためにパラメータをどうすればいいかはまだよく分からないので、あとで調べる
    • というか、TTでファイルオープンする時のオプションをちゃんと調べる必要がある。途中でパラメータが増えてそうだし(動的デフラグとか)

使用例:PHPでのセッション情報の保存

  • セッション情報をマスタ/マスタ構成のTokyo Tyrantに保存する
    • メインが落ちていたらサブにアクセスする
  • テーブルデータベースを利用する
    • セッションの有効時間が切れていたら削除するため
  • openpearNet_TokyoTyrantを利用する

 もっといい方法があるかもしれませんが、いちおうこんな感じで。

続きを読む

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2010-02-18(Thu)たまには普通の日記でも。 このエントリーを含むブックマーク このエントリーのブックマークコメント

 久々に会社の近所の書店に行ったら「創」の2月号と3月号が並んでて、「なんで返本しとらんのだろ?」と思ってふと見ると2月号は出版ネタだった。「これは俺に買えってことか!」と思いつつ購入。パラパラ見た感じでは面白そうだ。

 それにしてもネット世間ではムダに電子プックネタで盛り上がってるのに、「創」2月号が話題になってないのはちょっと不思議。電子ブックネタが好きな方々もたまには本を読んで欲しいものだ。


 そういや最近はあまり書店に行ってないなあ。昔はほぼ毎日行っていて、それも何軒か回ってたのに。それが最近では週に1~2回オタク系の書店に行くくらいだもんなあ。一般書店に行くのは月に数回くらいか。

 書店を巡るといいのは受動的にいろいろ情報を受け取れること。まあこれはテレビやラジオでもそうだけど。ネットが面倒なのはそのへん。興味のない情報をもっとラクに入手できるようになればいいのに、とつくづく思う。まあだから(現時点では)twitterが流行ってるんだろうなあ*1


 興味のない情報の入手のために、はてなブックマークが気に入ってます――正確には「お気に入りの通知メール」ですが。はてなブックマークのお気に入りそのものはイマイチなんですけどね。

 というのは、「お気に入りの通知メール」には

  • 記事(ページ)見出し
  • URL
  • 記事の先頭部分の一部
  • ユーザーid
  • コメント(タグを含む)

――が含まれているからです。これだけの情報があればそのURLの記事を読んだほうがいいか判断できるし、読まなくてもある程度のことを知ることが出来るわけです。

 ウェブ上の「お気に入り」にもこれらがあればいいのですが、残念ながら重要な要素である「記事の先頭部分の一部」がないんですよね……。変わりにカテゴリー(役に立ってない)とブックマークしてるユーザー数が分かりますが。ちなみにURLも重要な情報なので、省略URLは好きじゃありません。

 とはいえ、あえて「お気に入り」に入れてるユーザーのものなんで、「興味のない」度数が低いんですよねもっと興味ない情報を知りたいのに。その点では「スターフレンドのブックマーク」が適当にカオスでいいのですが、上記の理由でイマイチなんですよ。「スターフレンドのブックマークの通知メール」とかあればいいのに。


 話変わって、というか戻って。書店に行った時に「Software Design 総集編 2000-2009」を見かけて「あ、もう出てるんだ」と思って家に帰ったらうちにも届いてました。一度だけかなりどうしようもない記事を書いただけなのに、連絡いただいたんですよね。10年分の執筆陣に連絡をとるのはかなり大変だったんじゃないでしょうか。

 そしてメールアドレスを変えないことの重要性を実感。もうNIFTY-Serve時代のアドレスには届かないからなぁ。

*1:あとは取り巻きしやすいからかな。

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2010-02-17(Wed)

利用者が増えそうな電子ブックの形式をちょっと考えてみた。

|  利用者が増えそうな電子ブックの形式をちょっと考えてみた。 - 浅倉卓司@blog風味? を含むブックマーク  利用者が増えそうな電子ブックの形式をちょっと考えてみた。 - 浅倉卓司@blog風味? のブックマークコメント

 こういう電子ブックなら自分は利用するし、僕の友達の何人かも利用するんじゃないかな、ってものをちょっと考えてみた。

 目安としては利用者数は10万(~100万人)くらいで、年間の利用金額は1人1万円くらい――つまり売上げ規模的には10億(~100億円)*1

 これが多いか少ないかは分からないけれど、そんなに悪くないんじゃないかな?*2


 いちおう読者にも出版社にも著者にも配信サイトにも(おそらく端末メーカーにも)メリットがあるつもり*3

 書店と取次にはメリットがないけど、マイナスにもならないでしょう。

 ちなみに被りそうな市場は新古書店と漫画喫茶――つまり、出版社や著者が取りはぐれてると感じている部分なので、「ご理解とご協力」が得られるのではないかと期待しています*4


概要

 電子ブックについてはいろいろ考えてみたけれど、やっぱり紙媒体が主体で電子媒体は補助的なものとして落ち着くんじゃないかな――というのが前提です。したがって既に紙媒体でリリースされたもの・今後紙媒体でリリースされるものを主体にします。


 最初の時点で主に取り扱うのは漫画です。これは既に電子化されている作品点数が多いこと*5と、漫画は面付けのみで成立するために組版について考慮する必要がないためです*6


 また、販売ではなくレンタルがメインです。

 以前の電子ブックは「レンタルで失敗した」と思われている向きもありますが、過去の事例は

  • 値段が高かったため、レンタルという感覚にはなれなかった
  • 高価な電子ブック端末を購入するようなユーザーはレンタルより購入を選択する

――という2点が重なったためでしょう。

 したがって今回は

  • レンタルの価格は安価に抑える(100円~300円を目安にする)
  • 電子ブック端末もレンタルにする(500円/月を目安にする)

――ことにし、「安価でもっと沢山漫画を読みたい」と思っている読者にリーチする事を目標にします。

 これは要するに現在新古書店や漫画喫茶を利用している読者と、並びに新古書店や漫画喫茶を(主に気分的な問題で)利用していないが潜在的に利用する可能性のある読者をメインターゲットにしています。


レンタル方法と販売について

 会員登録をされた方に電子ブック端末を数百円/月でレンタルします。レンタルした作品はその端末で読むことになります。

 端末は希望者には販売しても良いかもしれません。また場合によってはPC等へのリーダーを用意する可能性もあるでしょう。


 レンタル価格については、

  • 新刊は250円~300円程度で、発売から1~2ヶ月はその価格を維持
  • 新刊以外は1巻200円、5巻セットで800円、10巻セットで1200円程度

――を目安にします。

 これは「新刊を買って新古書店に売った場合(あるいは新古書店で新刊を買った場合)」や、「旧刊を新古書店で購入した場合」を目安にしています。

(なお、既存のネット漫画レンタルの価格もこの程度でした)


 また以前にも書いたように、レンタルして気に入った作品は(レンタル期間中であれば)差額で無期限版を購入可能にします。この価格は通常の電子書籍の販売価格と同程度になります*7

 理想を言えば購入する場合に電子媒体か紙媒体かを選べるのがベストなのですが、紙媒体の販売も含めるなら既存のネット書店との提携が必要になるため、実現可能かどうかはわかりません*8


 レンタル期間は1~2週間。漫画を読むのにそんなに時間をかけないと思われるのでもっと短くてもいいかもしれませんけれど、前述のように「気に入ったから買う」という流れも欲しいので、まあこれくらいかなと思います*9

 期間の延長はなくて、期限切れになったら読めなくなります。読んでる途中で期限になった場合は最後まで読めますが、メニューに戻ったらもう読めない形が良いでしょう*10


漫画雑誌やコンビニ流通本について

 以上が基本路線で、加えて扱いたい(電子化して欲しい)のが「漫画雑誌」と「コンビニ流通本」の2点。


 「漫画雑誌」はおそらく単行本以上に電子ブックに向いてるんですよ。体積・重さで比べると電子ブック端末は「単行本よりかさばる」けれど「雑誌よりかさばらない」ですからね。また、雑誌は基本的に読み捨てなので、レンタル(=期限付きで読める)という形式でも違和感がありません。

 雑誌を扱う場合の価格は難しいところですが、

  • 基本的には2割引き
  • 年間購読で約半額

――くらいで提供できるといいのですが。雑誌は赤字だと聞きますし、不可能ではないと思うのですけれど。端数があると面倒なので「月刊誌は300円で統一、1年契約で3000円」とかが理想的かな。ま、このあたりは出版社のご意見を聞かないとなんともいえないところですね。

 重要なのはバックナンバーで、少なくとも1年分は読める(レンタルできる)ようにしたいところ。これは「単行本の続きを読みたい!」という要求に応えるためです*11

 そうそう、その意味で雑誌レンタルの有効期限は6ヶ月~12ヶ月くらい欲しいですね。単行本が出るまでは雑誌で読めるように。そう考えると300円で提供するのは難しいかもしれません。


 「コンビニ流通本」は人気作品を再編集して一見さんにも読みやすくなっていると思うのですが、何故か書店では扱わないし再販もされていないので、どうせなら電子ブックとして流通させるといいんじゃないかと思ってます。

 それにあれも読み捨て前提の作りになっていますので、レンタル(=期限付きで読める)という形式にも馴染むでしょうし。これは300円均一でどうかな?

 こちらの期間は単行本のレンタルと同様に1~2週間で問題ないでしょう。


課題と希望

 この「電子ブックレンタル」の利用者を増やすには書店やブックオフで勧誘するのがベストなのですが、どうすれば賛同を得られるか考えがまとまっていません*12


 利用者増加のためには人気作品の確保も必要なのですが、これは出版社が簡単に提供してくれるとは思ってません。ただ、長期連載作品の最初の20巻分を提供してもらえるように交渉するとか、出版社にとっても悪くない方法が何かあるような気はしています*13


 利益分配は難しいところだけれど、「レンタルについては配信元が5割、出版社と著者が5割」「販売については配信元が3割、出版社と著者が7割」あたりが落としどころじゃないかとにらんでます。

 販売はともかく「レンタルが五分五分」ってあたりは難しいところですね。そもそも既存のレンタルは「固定費はかかるけど、貸し出し数が増えてもそれ以上かからない」という制度でやってると思うので、果たしてこの形で*14採算が合うのかはもっと細かく検討する必要はあるでしょう*15


 漫画向きな電子ブック端末をどうするのかとかDRMはどうするのとかあると思うのですが、これは端末メーカーとの相談で決めましょう*16


 需要を考えると成年向け作品も積極的に取り扱いところ。その場合はレンタルの方式や価格は上記とは異なるものになると思います。おそらく値段も上がるでしょうし、複数冊の貸し出しも原則なくなるでしょう。


 文芸への対応については、前述のとおり「組版をどうするか」と「出版社の対応がどうなっているか」がわからないのでなんともいえません。組版については「サーバー側で調整したものをダウンロードする」形での対応もありだとは思っているけれど、それで充分かどうかはわからないですし。

 また、文芸の場合はレンタル期間を漫画より長くする必要があるだろうし、価格も同じにはできないんじゃないかな、という予感はしています*17


 ――とりあえずは以上で。

 細かいツッコミどころはいろいろあると思いますが、こんな感じなら割とイケるんではないかなー、と思ってます。というか、こういうのが立ち上がれば僕が使いますので、是非ともご連絡ください。


あとで確認する確認した

  • ブックオフの売上げ
    • 447億円(漫画の比率は不明)
  • 漫画の市場規模
    • 2,705億円(文庫の漫画は「文庫」と「コミック」のどちらに含まれるんだろ?)
    • ところでこのページで取り上げられてる「付録つき書籍・ムック」は電子化できないよね*18
  • 漫画雑誌の市場規模
    • 2,421億円(2005年)。今だともっと減ってそう。
    • ちなみに当時の単行本の売上は2,602億円で過去最高だったとのこと。4年で100億円ほど伸びてるのね*19
    • 記事にあるJETROの「日本の出版産業の動向」レポートは興味深いのであとで読む。最新版はないのかなぁ。
  • 『デジタルコンテンツをめぐる現状報告』にあったケータイコミックの件
    • 電子書籍の売上はケータイ向けが283億円、PC向けが72億円(2007年)。最新のはどこかにあったっけ?
    • ケータイ向けの比率は漫画が約半分。写真集が約1/4。
    • モバイルブック・ジェーピーではマスターデータを集約し、販売毎にダウンロードサーバに取得にいく。
      • このデータをレンタルでも使えるとよさそうだとは思う(少なくともこの企画を立ち上げるなら話を聞きに行くべき)。

はてなブックマークのコメントへのコメント(追記:2010-02-19)

b:id:FTTH [# |ω・)……] (超ザックリですが)配信元が4割持ってくなら紙媒体と取り分が大差ないので出版社は価格を維持しないとやってられないはず。雑誌の保管/廃棄コストはそんな高くないでしょうし。 [2010/02/17]

 ええ「販売」についてはほぼフルプライスになるんじゃないかと思っています(決めるのは出版社・著者ですが)。安く提供するのは「レンタル」で、これは記事にも書いたように新古書店や漫画喫茶に流れている分の一部を出版社・著者の収益にしようという試みです。もしかするとレンタルによって販売数が低下するのを懸念しているのかもしれませんが、そこまでのインパクトはないと思ってますし(残念ながら)、「レンタルしたものを購入」という新たな購入フローが増えるのは悪くないと思うのですけれど。

 漫画雑誌については、「かさばる・重い」ので電子ブックになると携帯性が向上するのも狙っています(僕は移動中に読むことが多いので、ちょっと困ってる)。あとは(記事にも書いたように)定期購読者を増やせるといいかなと。


b:id:mohno [浅倉卓司, 電子書籍, 電子出版, 出版, ビジネスモデル] レンタルはいいと思うんですが、やっぱり携帯電話かな:-) あるいはパソコン。漫画雑誌は漫画家にとっての宣伝媒体(≠収益源)という気もするのでハードル高いかも。 [2010/02/17]

 確かに、電子ブック端末なし(PC)でも提供できたほうがいいですよね。そのうえで「電子ブック端末のレンタルを希望する場合+500円/月」とかで(それなら僕はレンタルすると思います)。

 携帯は既に販売市場が回っているのでレンタルを始めてもあまりインパクトなさそうなのと、携帯向けに見せ方を考える必要があるのであまり積極的になれないのが正直なところです。

 漫画雑誌のハードルが高い理由がちょっと分かりません。これは「漫画雑誌を電子ブック化すると読み飛ばされやすくなるから」ということでしょうか? 僕は雑誌の場合でも、ファイルを開いたら1ページ目から表示するように考えていたので、基本的には既存の雑誌とそんなには変わらないと思っているのですけれど(まあ、スキップ機能は付くしパラパラめくられないから、目にとまる確率は減るでしょうけれど)。また、電子ブック版がそんなに沢山読まれるとも思いませんので、影響はそんなにないと思うのですけれど(影響があるくらい読まれるなら、それはそれでいい話ですし)。


b:id:kujoo [ePaper] すでに市場が形成されている(?)ケータイのデジタル漫画って買い切りだったような。。。 [2010/02/17]

 そうですね。ただ、ケータイと同じことをやってもダメだと思っています。それでいいならPC上でデジタル漫画の市場が既にできてるはずですし。


ソク読みについて(2010-02-19)

 そうそうPC版といえば「ソク読み」というのがあってあるていど評価しているのですが、290円(~420円)と紙媒体より安価で提供しているのはいいけど、閲覧期間が180日なんですよ。これって長期レンタルだと思うのですが、そんな中途半端なことをするくらいなら閲覧期間を短くしてもっと値段を下げて欲しいと思うわけです(まあ、出版社の事情があってこうしてるんだとは思うけれどさ)。

 でまあ、「ソク読み」が値下がりすれば積極的に利用していいかなと思うのですが、その時にはやっぱり電子ブック端末を使いたいなとも思うわけです。僕は移動時に漫画を読むことが多いので。

 だったらついでに漫画雑誌も電子ブック化してもらえると移動時に読むのが楽になって嬉しいし、せっかくなのでバックナンバーも揃えましょうよ――というのが今回のネタです、はい。


あ、既にあるじゃん!(追記:2010-02-19)

 どっかでやってそうな気はしてたけど、パピレスでやってたのに気がつかなかったのはうかつでした。

http://renta.papy.co.jp/renta/


 品揃えがパピレスより悪いのが気になりますが……。どうやら「女性が携帯で読む」のをメインにしてるみたいですね。

 とりあえずは「電子貸本Renta!」が電子ブック端末に対応するのに期待しようと思います。

(ついでに上記の「レンタル→購入」に対応してくれると嬉しいんだけどな。あとは男性向けの品揃えの充実を……)

*1:コンテンツ代のみで。端末代を含めるともっと大きくなります。

*2:そうでもない?

*3:ただ、上記の売上げ規模ではちょっともの足りないと言われる可能性はある。

*4:だからといって新古書店や漫画喫茶に影響があるとは思っていませんけれど。

*5:また、今後も積極的に電子化が期待できること。

*6:文芸については自動組版の目処や出版社側の対応が進んでからの対応になると想定しています。

*7:帳簿上はレンタルをキャンセルしての販売になるでしょう。

*8:ネット書店が電子ブックレンタルを始めるならば、これは是非とも実現すべきでしょう。

*9:既存の漫画レンタルもこれくらいだから、というのもあります。

*10:期限が切れている時にメニューに戻る時は警告を出すのが親切かな。

*11:実際「単行本の続きを雑誌ですぐ読めます!」と告知してる作品もありますし。

*12:ブックオフがこの企画を始める(あるいは出資する)のがベストかもしれない、とは思うけど。

*13:それで収益が見込めることを示せば積極的にリリースするようになるでしょうし。

*14:配信数に応じて売上げの5割を出版社・著者に支払って。

*15:とはいえ、レンタル時に「配信が7、出版社・著者が3」にすると、販売よりレンタルのほうが配信元が儲かるのでインセンティブの設計的によろしくない気がしてます。逆に「配信が3、出版社・著者が7」で採算が合うような気があまりしていません。

*16:インターフェイスについての思いつきはあるのだけれど。もうちょっと検討したい。

*17:漫画と違って具体的に検討はしてないけれど。

*18:なんでも電子化できると思ってる人もいるみたいなので……。

*19:作品数も増えてるんでしょうけど。

mohnomohno2010/02/19 11:56漫画雑誌って、漫画家の収入源としては大きくなく、単行本化されてはじめて“生きていける”収入になるという話を聞いたことがあるんですが、どうなんでしょう。もしそうなら、公式に雑誌のバックナンバーを提供することは、雑誌の値段を上げて実現するか、あるいは単行本の売上にマイナスの影響を与えてしまう気がするのですが(もちろん、それなりの市場ができるとして、ですが)。

携帯はサブスクリプションモデルができあがっているという大きな利点があるのですが、DS が解像度4倍(1画面512×384)にした新端末でも出したら面白いかもしれません。見開きで漫画が読めるかも:-)

asakura-tasakura-t2010/02/19 22:28 ええとそれは「単行本を買っていた人が雑誌の連載に追いついたら単行本を買わなくなる」ということでしょうか? だとすれば、そういうケースはほとんどないと思います。雑誌を買ってまで追いかけるほど情熱があるのであれば、ほぼ間違いなく単行本も買うと思います。
(そもそも単一の作品を読みたいのであれば単行本のほうが安いですし、読みやすいですから)
 どうしても心配であれば(記事でも書いたように)過去12ヶ月分(単行本が出るまでの期間)のみのレンタルでよいかもしれませんが。

 そもそも雑誌を読んでもらうことは結構重要で、結局ほとんどの人は知ってる(読んだことのある)作品(作家)を買ってるんですよ。したがって、雑誌が買われて読まれる作品が増えることは、最終的には作家にとってもプラスの影響になると思っています。
(ある作品の続きが気になって割高な雑誌を買った時に、他の作品もついでに読む可能性が高いですから)

 解像度は――快適に読むためには経験上、見開きで1450x1000くらいは欲しいです。できれは1820x1280。先日PC Watchの記事でKindle DXが取り上げられてましたが、微妙に足りてない感じがしましたし。

mohnomohno2010/02/20 01:51なるほど。漫画雑誌のバックナンバーって、漫画家から反発がありそうと思ったのがハードルが高いと書いた理由なんですが、そうでもないのかな。値付け次第ということもあるかもしれませんが。

Kindle のグレースケールは、日本人受けが悪そうな気はします。別にも書きましたけど、洋書って文字ばっかりのことが多いから、Kindle で十分という面がありそうなんですよね。

あと、パピレスのレンタルは知らなかったです。やっぱりみんな、頑張っているんじゃないか:-D

asakura-tasakura-t2010/02/22 22:58 漫画は基本的にモノクロなんで、グレースケールで大丈夫だと思ってます。
(それもあって漫画を中心にするのがいいと思ってます。あと文芸も平気でしょう)
 漫画以外の雑誌はカラーが多いので、一般雑誌をKindleをはじめとした電子ペーパー媒体を使うのは難しいかもしれません。
(というか、現在の出版物全体を見渡すと電子ブックに向いてるものって本当に少ない気がしています)

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2010-02-13(Sat)

電子ブックのあるべき姿はジャンルごとに違ってる。

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 電子ブックの話が噛み合わなかったりするのは、想定している本がそれぞれで違っているからじゃないかな。

 例えば漫画と文芸で求める機能は違うし、実用書でも料理の本とプログラムの本では求める機能は違ってるでしょ。そういったことを無視して「電子ブック」とひと括りにしてるのが間違いなんじゃないかと思う。

 それに、ジャンルによっては電子ブックには向かないものもあるでしょう。例えば辞書は「電子辞書」という形で電子ブックとは別に存在しているわけですし。料理のレシピは(もしかしたら)DSのほうが向いてるかもしれない*1


電子ブックに向いていそうなジャンル

 漫画は比較的電子ブックに向いてる気はする。ページ単位で構成されているから、基本的にはスキャンしたデータをそのまま使えるでしょうし。そのかわり見開きでの表示が必須になるでしょうけれど。

 文芸の場合は前にも書いたようにちゃんと自動組版できるようになってほしいかな。


 実用書は前にも書いたけど付箋付けてメモできるとよさそうだ。この場合は文字入力が必要になるけど、電子ペーパーでの文字入力が実用的なのかはちょっと不安(使ったことないので)。

 この手の用途には高コントラスト・高精細な反射型液晶のほうがいいかもしれない*2。この場合は電子ブック端末+電子辞書ってのもありかな*3


電子ブックに向いてなさそうなジャンル

 辞書や地図は専用ハードのほうがいいだろうなぁ。電子ブック向けに作る必要はなさそう。

 学習参考書も紙の方が向いてる気はする。電子版を作るなら、全く別の形になるでしょう。


とか書いていたら

 d:id:mohnoさんが「電子ブックにおけるドン・キホーテは誰か」という記事を書かれてました。

 基本的には同意見で、僕がだらだらと書いていたことが分かりやすく書かれています。

*1:いや、防水に優れた電子ブック端末を作ったほうがいいかな?

*2:ポメラで使ってるようなやつ。グレースケールが使えないので解像度はもうちょっとほしいけど。

*3:電子辞書の液晶はどんな感じなんだっけ?

mohnomohno2010/02/14 21:50「ジャンルごとに違ってる」<まさに、そのとおりだと思います。そして、電子化に向いているジャンルは、電子辞書だの、DSのソフトだの、携帯コンテンツだの、Webコンテンツだのという形で、すでに電子化されているのですよね、日本は。だから、今“印刷物”でしか提供されていないものは、そこからあぶれているものだとも言えます。その意味では、Kindle が印刷物の代替を目指すなら、小さなチャンスはあるかもしれません:-)

食べレコ食べレコ2010/02/14 23:20ちょっと宣伝込みのコメントになってしまいますが、
ジャンルによって形が変わる、は超共感です。
弊社はグルメ情報に特化したiPhoneアプリ「食べレコ」をリリースしていますが、
この形は一つの正解では?と思っているものの、
すべての書籍でこの形が正解だとは思わないのですよね。
それぞれのジャンルにあわせた形があってしかるべきだと思っています。

http://tabereco.hands-aid.jp/

asakura-tasakura-t2010/02/15 08:42>mohnoさん
そうそう、向いてるジャンルは形を変えて既に電子化されてるんですよね。
そして日本の印刷物は非常に競争力が高い(安価でどこでも手に入れられる)ので、Kindleみたいな売り方をしてもなかなか対抗できない気がしています。
なので、僕は電子ブックを普及させるならもっと別な方法がいいんじゃないかと思っています。

asakura-tasakura-t2010/02/15 08:48>食べレコさん
確かに「食べレコ」は良さそうですね。というかグルメ誌を電子化するならああいう形でないとダメな気はします。

フリーペーパーですが、ホットペッパーなんかも紙とウェブでは違ってますし。
R25も電子版はさっさとやめて別の形にしてましたね。

2010-02-12(Fri)

Kindleの売り方の不思議(あるいは、電子ブック端末の正しい売り方)

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 Kindleの売り方は普通とちょっと違ってる。普通は端末価格を安くしてコンテンツの販売等で利益を得るわけだけど(ゲーム機とか携帯電話とか)、Kindleは端末販売で利益を出してコンテンツを赤字で販売している――らしい。

 普通に考えたらKindleの販売方法は破綻している――だってどこかで端末の販売数は飽和するはずだし、コンテンツ販売が順調になればなるほどマイナスになるわけだから――のに、どうしてそんな売り方をしてるんだろうか。


 端末の普及に注力するのであれば、端末価格を安くしてコンテンツで回収するほうがいいんじゃないか――たとえば端末を3万円で売るのではなく、5千円とか1万円で売るのが王道ではないのかな?

 そういう方法を選ばずにAmazonはなぜKindleをそんな売り方をしているのか、きちんとした考察を見たことがないのだけれど*1、そんな破綻した売り方をしてるのか不思議に思ってる人は少ないんでしょうかね。


 仮に3万円の端末の利益が6千円として、1部販売するごとに300円の損失になるのだとしたら、

Kindle的な売り方:

部数損益
1部+6000円
10部+3000円
20部±0円
50部-9000円

(以降、損失が増える)

――というなるはずです。にも関わらずKindleを売ってAmazonが儲けているのであれば、やっぱり電子ブックは全然売れていないんじゃないのかな。そういや「Kindleの販売が100万台を突破した」とかいうけど、「電子ブックが2000万部を越えた」なんて話はでてないよね?*2


 そんな破綻した売り方するくらいなら、3万円の端末買ったら2万円のクーポンを付けて実質1万円とかで売ってもいいじゃん、って気がします。

 仮に3万円の端末の利益が6千円として、コンテンツの売上の3割が利益になるとした場合、

2万円のクーポンを付けた場合:

売上損益
0円+6000円
1万円-1000円
2万円-8000円
5万円+1000円

(以降、利益が増える)

――ってな感じになりますから、5万円以上売れると思っているならクーポンを付けたほうがいいはずなんですよ。

 本気で普及を目指すなら本体価格と同等のクーポンを付ければいいと思いますし。先日書いた記事に対して

b:id:bn2islander [本][ビジネス] 確かに「電子ブックを買うお金で紙の本が何冊買えるのか」を考えるとkindleiPadに手を出す気はなくなるんだよね。電子ブック端末が三万円だとすると、三万円分のコンテンツは内蔵されて然るべきだと思う [2010/02/02]

――というコメントがあって、「そうだよなぁ」と思いましたし。

 それにクーポンがあるなら「電子ブックを買ってみよう」というインセンティブにもなるでしょうから、「端末は売れたけどコンテンツが売れない」とはなりにくいでしょうしね*3


 個人的にはクーポンによる販促を行ったほうが絶対にいいと思っているのですが、Kindleではそうしなかった理由がずっと気になってます*4

*1:よく分からないけど賞賛してる、みたいなのは見かける。さすがに本国ならどこかで検証してるんだろうけど。

*2:それともどこかで発表されてたかな。

*3:欲しい電子ブックが出るまで使わない人はいる気がするけど、それならそれで構わないですし。

*4:クーポン方式を思いつかなかったとは思えないので。

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2010-02-10(Wed)

電子ブックはどうやって値段を決めるつもりなんだろう?

| 電子ブックはどうやって値段を決めるつもりなんだろう? - 浅倉卓司@blog風味? を含むブックマーク 電子ブックはどうやって値段を決めるつもりなんだろう? - 浅倉卓司@blog風味? のブックマークコメント

 現状では(特に買う方は)紙媒体の書籍に対して高い/安いという判断をしているように見えるけど、基準になる紙媒体がなかったら果たしてその判断はできるのだろうか――ということが気になってます。


紙媒体での価格の決め方

 まずは紙媒体の値段の決め方について。

 最初に本の内容と予算があって(いわゆる企画があって)、その内容から部数を予測し、その想定部数と予算から値段が決められていることが多いとのこと。

(具体的なお話はこちらにあります

 で、その値段に見合った見栄えにするために判型・装丁(およびページ数)を選んでいるわけです。これは見た目や質感がしょぼいと(買う側が)値段に納得できないからですね。

(装丁に関するお話はこちら

 また逆に、判型や装丁にあわせて「値段の相場」がだいたい決まっています。なので、値段を確認せずに会計に行っても大抵は予想通りの価格になっていると思います。

 そんなわけで「紙媒体だから高い」のではなく、値段にあわせて形を変えているのが現状です。実際、安くしようと思ったら文庫として売ることもできますしね。


じゃあ電子ブックはどうするの?

 さて、電子ブックの値段です。

 紙媒体と同様に内容と予算と販売予測で決めるなら、紙媒体とほとんど同じ価格になります*1(当然ですね)。

 このとき電子ブックでは判型や装丁など、見た目や質感で差別化することができません。だとしたらどうやって値段を正当化できるのか、果たしてそれで購入者は納得できるのか――という点を疑問に思っています。

 実際「紙媒体でなくなれば安くなるはず」と根拠もなく思い込んでいる人が多いみたいですしね。


そもそも買う人はどれくらい値段に敏感なのか

 先ほども書いたように紙媒体ではおおよそ値段は決まっていますが、その価格帯を外れなければ値段を気にしていないようにも思えます。


 たとえば新書判のコミックスの相場はだいたい約400円で約190ページなのですが、ものによっては約160ページだったりしてるのにそれを問題視してる人は少ないようです。つまり「新書判のコミックス=400円程度」という先入観があって、それ以上のことは誰も気にしていないように見えます。

 あるいはB6判のコミックスは約500円で約190ページくらいものが多いですが、値段が高い(600円くらいする)のもあればページ数が少ない(160ページくらいの)ものもあり、それを気にしている人も少ないようです。これは「B6判のコミックスは500円~600円程度」という先入観があるためでしょう。

 これが新書判で500円だったり*2B6判で700円を越えてたりすると「高い!」と思う人も多いんじゃないでしょうか。あるいはB6判で400円台だったりすると「あれ、安い?」と思ったりね。

 だとすれば「電子ブックは安い」という先入観に合わせて「安くて分量が少ない」モノを出せば気にせず買うんじゃないのかなーって気はします*3。とはいえ、任天堂の岩田社長が言うように安売りするのは筋が悪い気がしていますけれど。


 そもそも同じ漫画作品なのに新書判とB6判(とA5判等々)で値段が違っていることに違和感を感じている人はほとんどいないわけですよ。

 そう考えるとやっぱり人は紙の体積(=パッケージメディア)にお金を払っているのであってそれ以上ではないのかなー、なんて気もしますけどね。

(そういやDVDのパッケージがトールケースになったのは「CDより高いから」とか聞いたことがあったなぁ。本当かどうかは知らないけど)

*1:実際には販売数が減るだろうから、高くなりそうだけど。

*2:これは付録としてカードが同梱されていたためだけど。

*3:そのためにも紙媒体と全く同じモノを出すのはダメだろうとは思います。

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2010-02-09(Tue)

漫画の原稿と製版データ

| 漫画の原稿と製版データ - 浅倉卓司@blog風味? を含むブックマーク 漫画の原稿と製版データ - 浅倉卓司@blog風味? のブックマークコメント

 一色登希彦さんが漫画の原稿と製版データについて書かれていました。漫画原稿は作者が描いただけでなく、写植*1を貼ったりした上で完成品になるので、その完成品は漫画家の手元には残っていない、という話です。

 音楽でいうところの原盤みたいなものだから、それをそのまま漫画家に渡して欲しいと言われても難しいのでしょう。そもそも出版社だってコストをかけて製版データを作ってるわけですから*2、それを持っていかれて勝手に使われるのは面白くないでしょうしね。

 ただ、紙原稿の時は写植を貼ったまま原稿を返していたと思うので、(一色さんも書かれているように)昔の牧歌的な出版状況であったなら製版データをもらえた可能性は高かったかもしれません*3


 ところで「製版データがあればいい」のであれば、(ちょっと前に話題になっていたような)原稿紛失の時に製版データを渡せば解決なんじゃないの? という気もします。

 原稿を無くさないように注意するのは当然としても、出版社なんて紙の山なわけですから、紛失する可能性をゼロにするのは事実上不可能でしょうしね。だとすれば「製版データは漫画家さんに渡すけど、原稿の紛失には目をつむる」というのは落としどころとしてはアリなんじゃないでしょうか*4

 デジタル入稿してる作家さん的には紛失はありえない訳ですが、そのかわり自分でデータを消失する可能性もあるわけで、その時に出版社からデータを返却してもらえるとしたら心強いでしょうし。

 まあとにかく、一色さんも言っているように「製版データの扱いをどうするのか」はこれから徐々にルールを作っていくことになるのでしょう*5


 原盤が手元に残らないという点は、漫画以外でも同じことが言えます*6。校正前のテキストは著者が持っているかもしれませんが、完成品の原稿をテキストで持っている著者はあまりいないんじゃないでしょうかね*7

 あるいは、一部の新書などはインタビューや対談を元にして出版社が原稿を起こしていて*8、著者(にあたる人)がそもそもテキストを作っていない可能性もありますし。

 そのあたりのデータの扱いは今後どうなるんでしょうね。現状だと他社から出しなおす時は校正しなおしてるケースが多いみたいですけれど(そうでもないのかな?)。

*1:今は違うだろうけど、便宜上。

*2:その点について一色さんはちゃんと書かれていてフェアだと思います。出版社は仕事してない絶対悪に仕立てたい人を見かけてうんざりする事が多いので。

*3:その意味で、佐藤秀峰さんや雷句誠さんの行動は、漫画家全体にとってはあまりよくない状況にしてる可能性もあるんじゃないのかな。良くも悪くも比較的ルーズだった出版社が頑なになったとすれば、外部でいろいろ騒がれてるせいに見えますし。

*4:雷句さんの時もフィルムを返却する話が出ていた気がします。

*5:いきなり「こうあるべき」とか言ってもダメだと思うしね。

*6:一色さんは文字の本の著者さんは、テキストデータさえあれば、どのようにも「電子書籍」にアップしやすいなんて書かれてますが、そんなことはないです。

*7:最近はPDFで校正してるケースもあるみたいだから、テキストを抜けるのかもしれないけど。

*8:有名なのは『バカの壁』でしょうか。

2010-02-08(Mon)

MySQLで調べる予定のもの

|  MySQLで調べる予定のもの - 浅倉卓司@blog風味? を含むブックマーク  MySQLで調べる予定のもの - 浅倉卓司@blog風味? のブックマークコメント

前提条件

  • レプリケーションでMaster(1)-Slave(複数)
  • Slaveのうち、1つは停止しても構わない
  • Masterを停止する場合はできるだけ短時間
  • MasterにSQLを発行してSlave側でロックが発生するのは避けたい

調べたいこと

  • バージョンを5.0から5.1(or later)に上げる手順
  • ENGINEをMyISAMからInnoDBに変えることは可能?

参考にする予定のURL

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2010-02-05(Fri)

電子ブックはどうやってプロモーションするんだろ?

| 電子ブックはどうやってプロモーションするんだろ? - 浅倉卓司@blog風味? を含むブックマーク 電子ブックはどうやってプロモーションするんだろ? - 浅倉卓司@blog風味? のブックマークコメント

 「電子ブック元年」とかいって盛り上がってる割にはほとんど誰も電子ブックのプロモーションについて触れてないのが不思議なんですよ*1


 そもそも僕は「ネットだけでいろんな本を見つけられるの?」とずっと思っているのです。「見つけられるよ」という人もいるけどそれはたいてい「誰か」の推薦で、結局それはランキングの上位にある本を買うのとあまり変わらないんじゃないかな、と*2


 あくまで僕の場合ですが、「知ってるの本」(誰かの紹介も含めて)はネット書店でもリアル店舗でも買っていますが*3、「知らない本」はネット書店で買ったことはないんですよ。リアル店舗では結構買ってるのに。

 というか、そもそもネット書店で全く知らない本を見かけることはほとんどなくて――いちおうレコメンドとかあるけど紹介される冊数も少ないし。情報量も少ないし、興味を引くような紹介じゃないから「買ってみようか」って思わないんですよね。

 それに対してリアル店舗に行くとものすごい数の本が目に入るわけですよ。そして平積の配置でもその本たちがどんなものか伝わってくるし、表紙や帯に書かれた(描かれた)ものでも伝わってくるし*4、場合によってはポップなんかもある。それらの情報を無意識に認識し選別して、気になる本を手に取ることがあるわけです。

 そんな感じで、なんとなく視界に入った本が気になって手に取ってみる、なんてこと結構あるでしょ?*5

 加えて手に取ってパラパラと中をめくれば――めくるだけでちゃんと読む必要は基本的にない――その本がアタリかハズレかはなんとなくわかったりしますし。


 そんな風に書店は売場そのものが本のプロモーションになっているのですが、果たしてネットでそれが代替できるのかな、出来ないんじゃないのかな、だって10年経った現状でもできてないわけだし――なんて思うわけです。

 これは書籍だけじゃなくて、全ての商品に言えることですけどね。


 紙媒体についてはリアル店舗でプロモーションできるけど、電子ブックは基本的にはネットでしかプロモーションできないわけで。上記のようにネットのプロモーションはリアル店舗より劣ってますから、それで売るのは大変だろうなぁとシロウトでも思うわけですが――なんかネット世間ではまるっと無視されてますよね*6

 「いやいや、ネットでもこんな感じでガンガンプロモーションしてて売れてるよ」という景気のいい話があるのなら知りたいと思ってるんですけどね。残念ながらみたことないですので。ええ。


 そうそう、Amazonの書籍の売上は全書籍の売上の8%程度とのことですから*7、仮に全ての書籍が電子ブック化したとしても売上は最大でそれくらいなんじゃないのかな――なんて思ったりもしますけどね。


追記:2010-02-08

 出版社のネットでの存在感のないよね、でもこれから存在感高めないとちょっと困りそうだけど、どうするんだろうね、というのが1つ。

 出版社も結構いろいろやってるんだけど、うまく集客できてない印象があるので(そうでもないのかな?)。クラブサンデーとかはもうすぐ一年になるのに、全然知名度なさそうだし……。

 ただまあ、大手出版社は急ぎすぎる必要は特にないので今後のために準備だけしてればいいんでしょうけど(先行者利益もほぼなさそうだし)。個人的にはケチらないでベストセラー本を出したほうがいいよ、と思うくらいで。ええ。


 ネットでのプロモーションならニュース系ウェブサイトとかが得意なはずだけど、電子出版に進出するって話を聞かないよね、そういうとこで記事を書いてるライターさんはそっちにツッコミ入れてよ、ってのが1つ。

 既存の出版社と個人だけしか電子出版できないわけでもないのに、何故かその二択みたいな話ばかりなのが気になってる。ま、儲かりそうにないから企画が通らない気はするけれど。

 それでもニュース系ウェブサイトは広告以外の収入は欲しいんじゃないかなぁ。……それとも、関連の出版社に対するイヤミで書いてるんでしょうかね?


 あとはまあ、「電子ブック元年」とか言って煽ってる方々が電子ブックをどんなモノだと想像・想定しているのかが気になってる。

 どうも結局電子ブックは紙媒体に依存した(あるいは紙媒体の存在を前提にした)モノを無意識に想定してるんじゃないかって気がしてね。

(リアル店舗で見かけたものを電子ブックで買う、ってのはまさにそうでしょ)

*1d:id:banraidouさんはずっと気にされてるみたいだけど。あとはここくらいかな。

*2:本をあまり買わない人は主にランキング上位の本を買うみたいなので、普通はそんなものかもしれませんけれど。特に近年はデフレで買い物が保守的になってる気がするし。

*3:もっともネットで買ってる量は少ないですが。受け取り面倒だし、図書カード使えないし。

*4:そうそう、帯は重要だよね。ネット書店で帯に相当する表現って何かないのかな。

*5:それとも僕だけ?

*6:商品はほっといても自動的に売れるという幻想がどこかにあるような気がしてる。

*7こちらの記事のコメント欄より。Amazonは雑誌をほとんど扱ってないから、雑誌を含めるともっと少なく(半分くらいに)なるはず。

QRM-itmQRM-itm2010/02/07 12:27背面に表示装置がついていて、表紙・背表紙を晒すというのはどうでしょうか?

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2010-02-02(Tue)

電子ブックの優位性ってなんだろう

|  電子ブックの優位性ってなんだろう - 浅倉卓司@blog風味? を含むブックマーク  電子ブックの優位性ってなんだろう - 浅倉卓司@blog風味? のブックマークコメント

 電子ブックは紙媒体に対して優位性(利便性の向上)が必要だと思うんだけど、それはなんだろう。ちょっと考えてみた。


収納スペースが小さくて済む

 これを筆頭にあげる人は多いと思うし、これは間違いないんじゃないかな。

 だから僕は全集とかシリーズものの全巻(あるいはそれに近い形の)セットを出すのがいいと思ってるんだけど*1、現状は紙媒体の単行本をそのままリリースしているものがほとんどなんですよね……。

 これはおそらく再編集の手間をかけたくないからだと思うのだけれど*2、だったらセットにしてちょっと値引きする――みたいな売り方もあってもいいんじゃないのかな。決済手数料を考えると少額よりまとまった金額で決済してもらったほうがいいはずですし*3


 問題は収納スペースに悩んでいる人がどれくらいいるか、ってことでしょうか。不要なものを処分することで得られるものもありますしね。


文字を好きな大きさに変えられる

 文字の大きさを変えられる(特に大きくできる)のは紙媒体に対する大きなメリットでしょう。

 歳をとって本を読まなくなる理由の1つが「老眼のため小さい文字が読みにくくなるから」という噂も聞きますし*4、だとすれば文字を好きな大きさに変えられる電子ブックは必要とされてる可能性はあります*5


 文字を大きくするといっても部分的な拡大ではなく、文字の大きさに合わせて読みやすく整形する「自動組版」が必要でしょう。

 これは縦書きやルビなどに対応しているべきですし、できれば段組も扱って欲しいし、電子ブック端末を縦でも横でも使える*6ようになってる必要があるでしょう。

 現在のDTPは自動組版に対応できるデータを出力できないらしく、自動組版できるデータを作るために現状はそれなりの労力を使っているようです*7。こちらについてはそのうちInDesignのプラグインか何かで対応できるようになるのかもしれませんけれど。


 ちなみにPDFは文字サイズのコントロールができないので、この点に関してはイマイチだと思ってます。

(もともとページ単位で作成されている漫画はまた別の話ですが)


検索性の高さ

 電子ブックに付箋を付け、そこにメモ書きができて検索できるとかなり利便性があがります。現状でも本に付箋を付けたりページの角を折ったりしてるのですが、メモの内容(付箋を付けた理由)は検索できませんからね。

 同じ理由で、マーキングできると良いかもしれません。


 ちなみに僕は本文の全文検索はあまり必要だと思っていません。「必要な情報がその本に書かれているか」を知りたいのであれば、司書にレファレンスしてもらったほうがいいと思ってますから。

 あるいは、目次と索引を検索できれば目的は達せられますし。とはいえ今の本は索引が充実していないので、それを充実させる必要はありますけれど。索引を作る手間をかけないために全文検索で誤魔化す方向なのかもしれません。


レンタル書籍の購読

 以前の電子ブックが失敗した理由に「レンタルだった」という点がよくあげられてるみたいですが、「書籍のレンタル」って悪くない発想だと思うんですよ。

 そもそも読み終わった本をすぐに古書店に売るのは「事実上レンタルと同じじゃない?」って話はたびたび出てますしね。そういう需要はあると思うのです。

 レンタルを前提とすると電子ブックは紙媒体よりも

  • 貸し出し待ちがない
  • 返却不要
  • 本が傷まない

――という点で利便性が高いですしね。


 問題があるとすれば、レンタルを使う人は「安く読みたい」という要求が強いでしょうから、そのために高い電子ブック端末は買わないだろう、ってことでしょうか。電子ブック端末を安価でレンタルするとかすれば解消できる可能性もありますが……これはちょっと分かりません。

 またレンタル料は100~300円程度に抑える必要があると思うので*8、それを出版社が許容できるかどうかが気になるところです*9


 そうそう、レンタルして気に入ったら「差額で購入」できると良いと思うんですよ。

 「買った→読んだ→気に入らなかったので売った(気に入ったので売らなかった)」というフローから「借りた→読んだ→気に入ったので買った(気に入らなかったので買わなかった)」というフローになるには、差額で購入できることが必須なんですよ。差額で購入できないと「借りた→」フローのほうが高くつきますからね。

 差額で購入できるようになれば「買った→」フローと「借りた→」フローの支出が同じになって、「気に入ったから手元に残そう(買おう)」と考えやすくなるんじゃないでしょうか*10


 これは「新規需要の掘り起こし」になるので、悪くないアイデアだと思うのですけどね。

 僕だったらアタリかハズレか分からない本でも200円くらいなら出しますし。通常のレンタルだとアタリの時に余分な出費になるのがイヤなんだけど、差額で手元に残せるならそれも気になりませんしね。

 どっかでやらないかなぁ*11



 ――なんか長くなったので、とりあえずはこんなところで。

*1:出たら買ってもいいと思ってる作品もあるし。

*2:数が売れないからそんなコストはかけたくないってのは分かるけど。

*3:販売サイトが値段を決められるのであればそういう売り方をすると思うけれど、現状でそういう話は聞かないし。

*4:実際はどうなんだろう?

*5:ちなみに教育現場でも有用だそうです。

*6:あるいはPCならウィンドウのリサイズに合わせる。

*7:そして労力を回収できるほどは売れていないのが現状だそうな。

*8:ちなみに既存の漫画のレンタルをちらっとみたら、やっぱりこれくらいだった。1冊単位じゃなくて10~20冊くらいのセットだったけど。

*9:前回のレンタルが不評なのは、「レンタルだから」ではなくて「レンタルなのに高い」からだと思うしね。

*10:理想を言えば、最後の「買う」で電子媒体か紙媒体かを選べればよりよいでしょう。

*11:ポッド出版の方に意見を聞いてみたいところ。

2010-02-01(Mon)

電子ブックが普及しないのはコンテンツの数が少ないから――というのは本当だろうか?

| 電子ブックが普及しないのはコンテンツの数が少ないから――というのは本当だろうか? - 浅倉卓司@blog風味? を含むブックマーク 電子ブックが普及しないのはコンテンツの数が少ないから――というのは本当だろうか? - 浅倉卓司@blog風味? のブックマークコメント

 「電子ブックが普及しないのはコンテンツの数が少ないから」と言われることがあるけれど、それは果たして本当なんだろうか。ちょっと考えてみた。


 仮に全書籍が同価格で電子ブック化されていたとして、果たして電子ブック版を買う人はどれくらいいるのかな?

 快適に読むために電子ブック端末が必要だとすると*1、その端末代が余分にかかる――これは(無視されがちだけど)音楽や映像作品などとの大きな違いだよね。余分な出費を正当化するにはそれだけのメリットが必要なのだけれど、電子ブックはそれを提供しているのか――というのが大きな疑問の1つ*2


 電子ブックは通常より2割安い価格で提供されていて*3、電子ブック端末が3万円程度と仮定しよう。この場合は15万円分の書籍を買ったときに採算がとれる。

 日本の出版物(書籍と雑誌)の1年間の売上は2兆円程度とのことで*4、購入人口を1億人と仮定すれば2万円、5000万人と仮定すれば4万円が1人が1年間に購入する出版物の金額になる――つまり、4年~7年くらい使わないと元はとれないわけだ。だとすれば「電子ブックは安価だから」という理由で売るのは難しいんじゃないかな*5

 あるいは1年間に15万円以上書籍を購入する人にはメリットがあるので買う可能性が高いと思われるのだけれど、そんな人はどれくらいいるんでしょうかね。


 ――とか考えていると、仮に全部の出版物が電子化されてもまあざっくり言って紙媒体の1/10も売れればいい方じゃないの? という感じがするわけです*6


 電子ブックがより売れるようになるには

  • 紙媒体を読んでいなかった人に提供する
  • 紙媒体にはないメリットを提供する*7

――ことが必要なんだけど、本当にそれを提供できるのかなと。

 「紙媒体の本をそのまま電子化すりゃいいじゃん」と言う人は多いけど、それじゃあ上記のようなものは提供できないでしょ?

 また上記を提供するのにコストがかかっていてはいけないわけで――なにしろ紙媒体に比べると相当少ない数しか見込めないわけだから――どうやって低コストで付加価値を付けて電子化するかが問われるのでしょうけれど。


 出版社がケータイ向けに積極的なのは「読んでいなかった人」が読んでいることが分かったから。ちなみにケータイでは紙媒体で出ているものが全て配信されているわけではないのにちゃんと売れているわけだから「新刊を配信しないのが悪い」という主張は間違っていることが分かるよね。

*1:PCやケータイでいいのであれば現状でも充分普及してるけど、使われてないよね。

*2:電子ブックのメリットについてはそのうち考えてみる。

*3:なんかAmazonが2割以上安くしろと言ってるとか聞いたので、いちおう目安として。

*4:いや、2兆円は割ったんだっけか。

*5:なので、前にも書いたとおり「安価」を売りにするのは難しいと思ってるし、しないほうがいいでしょう。

*6:端末が500万~1000万台普及して、それらを使ってる人が全部電子媒体を買うと仮定してそれくらい。とはいえポッド出版が公表している数を見ると、これでも相当過大評価な気がしますけれど……。実際には1/50くらいかねぇ。

*7:これについてはあとで書きたいと思ってる。

  2010/02/02 21:26>PCやケータイでいいのであれば現状でも充分普及してるけど、使われてないよね。

ろくにコンテンツがないから使ってないだけ

通りすがり通りすがり2010/02/02 22:09圧倒的に使いづらいからでしょ。
電子ブックなくしたりしたら全部パーに成っていうのもねえ…
技術書をPDFで売ってくれるなら買おうとおもうけど、それ以外はちょっと。

コンテンツが少ないのも事実。
東野圭吾の本買おうと思っても売ってないもん。

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