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2010-09-24(Fri)

米国の書籍の値段やエージェントについて

|  米国の書籍の値段やエージェントについて - 浅倉卓司@blog風味? を含むブックマーク  米国の書籍の値段やエージェントについて - 浅倉卓司@blog風味? のブックマークコメント

 引き続き『ルポ 電子書籍大国アメリカ』から気になった点へのコメントです。

(以前に書いたのは「米国のペーパーバック事情から日本の電子書籍を類推する」)

 今回は値段の件やエージェントについて。

  • アメリカおよびヨーロッパ諸国の書籍の値段は日本より高い
  • アメリカは大量発注すると最大で定価の55%までディスカウント
    • (ここがよく分からなかった。卸正味45%ってことなのか、これに取次分が加算されるのか)
  • ハードカバー(約25ドル)の分配:
  • 著者とエージェント(いわゆる印税)……約10%
  • 出版社(編集、印刷、製本、マーケティング)……約50%
    • うち、印刷・製本代……約10%
  • ディストリビューション(いわゆる取次)……約10%
  • リテイラー(いわゆる書店)……約30%
  • 電子書籍の印税は、新刊本は15%、バックリストは35%
    • ただし、今後変わる可能性はあるだろう
  • リテラシー・エージェントは印税の15%=全体の1.5%を受け取る
    • つまり、著者印税は基本的に8.5%ということ
  • エージェントや新人発掘、マーケティングなどもする
  • 基本的に著者は1つの出版社の専属である
  • 印税の一部は前払いされる

pp.085-115

 まずは値段について日本と比較してみましょう*1

 比率で比べると実感がわかないでしょうから、具体的な価格で比較してみます。

日本アメリカ
定価10001200
著者100102
エージェント--18
出版社600(印刷費:100)600(印刷費:120)
取次100120
書店200360

――となります。著者と出版社の取り分をほぼ同じにすると、「日本の書籍は1,000円」「米国の書籍は1,200円」になり、日本の書籍のほうが効率的に(安価で)読者に提供されている事が分かります。

(日本は常に15%引きで売ってるような感じですね)

 AmazonやiTunesの取り分で30%(+α)を主張しているのは、おそらくアメリカの書店(および取次)の取り分からきていて、「それでも紙媒体より安くなる(効率的)でしょ」ということなのかもしれませんが、米国的な取り分では日本ではほとんど安くならない(効率的でない)ことが分かります。


 エージェントの役割をみると、日本では担当編集が行なっている仕事のように思います。おそらく日本でエージェント的な活動をしていて評価されるような人は、おそらくどこかの編集部に所属することになるんじゃないでしょうか。

(編プロとかフリーの編集者みたいな感じですよね)

 担当編集が編集部を移るとそれに伴い作家が移るケースもそれなりにあるみたいですし。

 また新人の発掘やマーケティングもせずに売れている作家に付いて出版社と交渉するだけのエージェントは、ただのゴロツキ扱いされそうです*2


 著者が1つの出版社の専属という話で気になるのは、バックリスト(既刊)はそこそこ売れてるけど新作が売れなくなった著者の扱いがどうなっているのかが気になります。飼い殺しなんですかね?

 あと、日本だとレーベルによる違いが結構大きいと思うのですけれど(書ける内容にしろ売れる数にしろ)、米国だとそういう区別はないのかが気になりました。


 印税の前払いされて売れなくても返さなくていいのが特殊だとか書かれていましたが、日本でも刷り印税の場合は印刷部数に応じて支払われて著者は売れなくても返却する必要はないのだから、似たようなものだと思います*3

 電子書籍では実売に応じた金額しか著者に入らないのは一緒なので、同じ理由で日本でも電子書籍のみで出す著者はほとんどいないでしょう。


追記(2010-09-30)

b:id:ks1234_1234 [電子書籍, デジタル配信, ビジネス, 出版] アメリカ「(いわゆる印税)…約10%」で、エージェント1.5%、著者8.5%。前に誰かがアジって言ってた話と現実はだいぶ違うみたいね。▼「(いわゆる取次)…約10%」日本は30%だと記憶している。高い。利便の差は不明 [2010/09/26]

 日本の取次も約10%だと思いますけれど(少なくとも過去に調べた範囲ではそうなってました)。

 日本の30%っていうのは「取次+書店」じゃないでしょうか?

(取次から出版社入るのが約70%なので、取次が約30%とってるように見えるかもしれませんけれど)

*1:日本での大雑把な内訳は以前書いたものをベースにしています。

*2:日本でエージェントの話をする人は出版社の交渉のことのみを気にしているみたいなので。あれらは全部ゴロツキですよね。

*3:支払時期が前になるのが大きいとも思いますけれど。日本だと担当編集が前払い(貸している)という噂もありますしね。

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